がん防災とは、地震や台風への備えと同じように「正しく知り、前もって備えること」

目的は主に2つ:

  1. 自分自身ががんに備えられるようになること
  2. 周囲の人(患者・家族・住民)に正しく伝えられるようになること

② がんは「特別な人の病気」ではない

  • 生涯でがんになる確率:2人に1人
  • 死亡原因の上位(肺・大腸・膵臓・胃など)
  • 特に現役世代・若い世代にも増えている
  • 初期はほとんど無症状で進行することが多い

「早期発見=命を守る最大の対策」


③ がん予防のポイント(リスクを下げる行動)

がんの原因の多くは「生活習慣」と「感染症」
予防の具体策は以下:

  • 禁煙
  • 飲酒を控える
  • 野菜・果物をしっかり摂る(400g/日目標)
  • 減塩
  • 適度な運動(1日60分歩行)
  • 適正体重を保つ
  • HPVワクチン・ピロリ菌対策

→ 自分でコントロールできる点が多い


④ がん検診の重要性

5つのがん検診が推奨されている:

  • 胃がん
  • 肺がん
  • 大腸がん
  • 子宮頸がん
  • 乳がん

特に大腸がんは
便潜血検査で死亡率が60%減少

➡ 「がん防災=毎年の検診習慣」


⑤ 経済的な備え(お金の防災)

がん治療は高額で長期に及ぶことがある。

起こりうる問題:

  • 医療費の増大
  • 収入減少
  • 「経済毒性」(Financial Toxicity)

活用できる制度:

  • 高額療養費制度
  • 限度額適用認定
  • 傷病手当金
  • 障害年金
  • 医療費控除
  • 介護保険制度

→ 事前に確認・備えが命を守る


⑥ 「患者力」が大切

患者力とは、
「自分の人生の主導権を持って治療に向き合う力」

大切なこと:

  • 主治医とのコミュニケーション
  • 「先生ならどうしますか?」と聞く
  • 家族・仕事・価値観を伝える
  • 一人で抱え込まない

患者=司令塔、医師=参謀


⑦ 治療と仕事の両立は可能

今は「治療しながら働く」時代

活用できる制度:

  • 有給・時間単位休暇
  • フレックス
  • 在宅勤務
  • 休職制度
  • 両立支援窓口

重要なのは
🚫「びっくり退職しない」
✅ まずは相談


⑧ 周囲の人の関わり方

やってはいけない関わり:

  • 民間療法・怪しい情報の押し付け
  • 決めつけ・押しつけ

大切な関わり方:

  • 話を聴く
  • そばにいる
  • 判断を尊重する
  • 家族にも配慮する(家族は「第二の患者」)

⑨ ACP(人生会議)にもつながる内容

病気だけでなく、

  • 生き方
  • 働き方
  • 家族
  • 最期をどう迎えたいか

がん防災=人生を考えるきっかけ